2022-01-01から1年間の記事一覧

2.海市蜃楼

夢幾夜 レモネードの屋台があった。 赤、青、緑、紫、鮮やかな液体が店頭に並び、サングラスの陽気な主人が振舞っていく。ポップな音楽が流れ、パラソルのささっていないテーブルには人影であふれかえっていた。ふと、視線を感じてキャッチ―な客引きと目が合…

AI assist your -ai-

—渇感センサーが70%を超えました。早急な水分補給を推奨します。— 耳元で喚く無機質な音に乾いた舌打ちで応える。この勝手に体の状態を探られる感じには慣れない。それがわかってんならもっと外の状況もわかってほしい。翔湊は暑さが刺さる頭を守るようにま…

誕生日

英圏では誕生日ならパーティーを主催する側だろうけどな……というのは置いておきましょうね。日本的祝い方をしましたよ。

青、ときどき、白

それから、この奇妙な存在との同居生活が始まった。初めは何かにつけて後ろをついて回るので邪険にしていたけれど、そのかいあってか真似がうまくなった。朝ごはんを作ってくれて、日中家事してくれるなんて、過ごしてみると案外悪いものではなかった。 「ら…

進路希望書1

雲に覆われた空色がだんだん暗くなってくる。この季節は日が短くなっていくだけでなく、日ごとにだんだん暗くなっている気がする。カレンダーに急かされているようでどうも気分が悪い。今日中に提出の進路希望書の上でペンを回す。そんないきなり言われても…

青、ときどき、白 2

この話には頼青、インキュバス、死ネタなどの要素が含まれます。尚、ハッピーエンドではないつもりです。バッドエンドと言うつもりもないが、見る人によってそう感じるかも。苦手な要素がある人は自己責任で。

青、ときどき、白 1

この話には頼青、インキュバス、死ネタなどの要素が含まれます。尚、ハッピーエンドではないつもりです。バッドエンドと言うつもりもないが、見る人によってそう感じるかも。苦手な要素がある人は自己責任で。

right1

この話はDom/Subユニバース、デイモス、受けのモブレなどの要素を含みます。

あまいカフェオレ

この話はケーキバースです。カニバリズム的描写、嘔吐、などを含みます。 ________________________________________________________________________

Bitter Sweet Sour

Bittersweetとか言うとほろ苦いという意味だけれど、Bittersweet first-loveは甘酸っぱい初恋。Sweet-sourも甘酸っぱい。ついでに、Sourには酸っぱいの他に不愉快な、不機嫌な、などの意味がありますよ☻

熱帯夜2

願望が入ってると言われても否定できない。司咲です。

熱帯夜1

リモートで飲み会をする予定が入ってしまったと。申し訳なさそうに言ってきたのが昨日こと。 構わない。なんなら大事な仕事の一つだろう。仲間とのコミュニケーションは。 だから、わかってる。が、明日。司が休みの日なこともわかっている。そして自分も。…

かくしもの、たからもの、そんなもの

翔透♀なんだけど、要素が出てない気がする……

ふみ君は儚い系

ふみ君は儚い系だ。 金髪だしタトゥーしてるし背は高くてガタイは良く、褐色でいつもニコニコ笑っていて怖いけど儚い系だ。 多彩な言葉を操りよく女の子を侍らせているし、女の子以外の怖そうな人たちとよくお話しているけど儚い系だ。 この前なんか曲がり角…

郷愁の約束 2

あらすじ:夏の思い出的トラウマ(郷愁の約束 1 - toffifeeの本棚 (hatenablog.com)) 随分懐かしい夢を見ていたようだ。頭を預けていたワンマン列車の窓枠から体を起こして軽く伸びをする。車窓にはいまだに青い畑が広がっているし俺以外の乗客も全然いな…

郷愁の約束 1

向こうには何があるのだろう。 線路を吹く夏風が彼の頬をざああと撫でた。乗客のいない列車が小さく見えなくなった頃、やっと駅舎の中に戻る。ずいぶんな田舎なものだから顔見知りの駅員は帽子をちゃんとかぶれ、と頭をぐりぐりしてくる。押さえつけられる心…

その姿がどうであろうと-5

外側だけでも、私の好きなネタです。

その姿がどうであろうと-4

この時代のこの立場の主人にはこれくらいの偏見を持っていてほしいという私の偏見です。気分を害してしまったらごめんね。主人がにょたってめんぶれです。

その姿がどうであろうと-3

主人が後天性にょたする話です。推敲なんて公開した後にすればいいんだ!!!

その姿がどうであろうと-2

主人後天性にょた話続きです。前回中途半端なところで終わりましたが、一日一個目標にすると眠たくなる時もあるので仕方ないです。また、前回から日があきましたが、忙しかったので仕方ないです。今回は私が文明の利器を使いこなし始めています。

その姿がどうであろうと-1

主人が後天にょたします。

なんだか可笑しい夏の夢

例えるならそう、雲の中にいるような。 やけに重たい空気に耐えきれず頭がすべり落ちる。教卓の声も今日はどこか間延びしているようだ。机に立てた掌に顎を乗せなおして気が付く。隣の相棒も教科書に目をおとしているふりをして舟をこいでいた。そうだ、そう…

それが一番のプレゼント

「こういうのって、どうなんだ……」 なんとなく習慣となっている食後のテレビタイム。それは今日この日も変わらなかった。隣の男が懸命に用意していた豪勢な食事を共にして、プレゼントをもらって……大満足だ。幸福感を感じ、ふわふわとした気持ちで、ありてい…

「こんなんでも使いようはあったわ」

「限界……」 規格外のソファーにベッド。いつも通りの自室のはずが、この男がいるとどこか埃っぽく感じる。 「またかね」 上着をかけながら見やると部屋の隅に掃き捨てられたような男と数冊、転がっていた。 足先でつつき反応を伺う。だってシャツの前を寛げ…

ボージョレ・ヌーヴォー!!!!!!!!!

庭の草木から落ちる水滴と車輪の転がる音をバックに足元の露を払う。天には低い雲が立ち込めて何となく薄暗い中、開けられたドアを擦り抜ける。 なんとなく、ただなんとなく暗い日だなと、そう思っただけだった。 ことん ローテーブルに置かれた暗い色のボト…

最後のピース

ほんの気の迷いだった。大した決意なんてなかった。ただ、あの頃より幾分かマシになっていると。そう信じたくて、信じられなくて。その理由にできそうなものを探しに来た。行ってみれば何かわかるかも、変われるかもと、思ったんだ。 行ってみればあっけなか…