世界で一番、綺麗なもの

世界で一番、綺麗なもの 第十話

「おいキヨヒト!!!何泣かせてるんだ!!!!!!」 「ウワッ、ヤ、俺は別に探してなんか…は、なに、?」 「泣いてないですっ!!!!!!!!!!!」 アオイが帰ってこないのにしびれを切らしたキヨヒトは魔力の気配を辿っていた。お相手は先ほどまで直…

世界で一番、綺麗なもの 第九話

不甲斐ない 何もできない。 そんな自分がいつも嫌いだった。 教会に入り新たな力、神の恩恵を手にした人間たちはその力の強さで神からの愛を計り始めるようになって。家を失い教会に保護されるよりも、その新たなる力を求めて家を捨ててくるものが多かったこ…

世界で一番、綺麗なもの 第八話

悠清葵魔法使いパロ8話 カプ表現はなかったつもりだった。ただ、清葵に見える表現あり。 嘔吐注意 葵の魔力の流し方を指導する清仁。それぞれの思惑とは。

世界で一番、綺麗なもの 第七話

ハルの先導に続いて森を進む。 「ていうかパーティー実質一人ってお前は働かない気かよ」 ハルは決闘で魔法で攻撃してこなかったところを見る限り戦力外だというのはわかるが。 「私、回復要員なので。」 語尾にハートマークでもつきそうなわざとらしい声で…

世界で一番、綺麗なもの 第六話

なるほど、先ほどのビンタはヒットポイントのためだったらしい。 つまり、こうなることを予定していたというわけか。 自分は防御に徹し、相手の力が尽きたところで物理的にヒットポイントを削る、そういう作戦だったわけだ。 …いやいや、そんな話あってたま…

世界で一番、綺麗なもの 第五話

残HP キヨヒト …100% ハル …100% 液晶から目を離せなかった。信じられない。その間にも放たれる魔法弾。しかし、直撃しているはずのそれは微塵も彼女のHPバーを動かすことはなかった。あれだけの攻撃をすべて打ち消すというのは、並大抵のことではない。守…

世界で一番、綺麗なもの 第四話

四角い真っ白の壁に囲まれた一室。こどもが練習で使うような闘技場だ。 ただしそこにある空気は普段の愚かしくも明るいものではない。 あの冷え冷えするほど真っ黒の瞳で揺らめく感情。彼のその何かに囚われているような物言いは前から気になっていた。彼を…

世界で一番、綺麗なもの 第三話

「それで、なんでついてくるんだよ」 朝から出かけて行ったキヨヒトさんに二人で堂々とついて行っていた。初めは堂々としすぎていて突っ込まれなかったのだが、さすがに限界だったようだ。 「暇だからな!」 「自分たちでもモンスターとか倒してればいいだろ…

世界で一番、綺麗なもの 第二話

「暇だなぁ」 「暇ですね」 あらすじ、空から降ってきた女性を保護しましたが、彼女は魔法が使えないという。以上。 一応あの初めての邂逅からモンスターを何匹か(私が)倒し、素材を採集できる手袋とナイフを買い与えた。この世界でほとんど最弱とされるス…

世界で一番、綺麗なもの 第一話

始まりは、空の青い青い日だった。雲一つないどこまでも続いているようなその吸い込まれるような空に、彼女は現れた。 ”始まりの地”と呼ばれる草原にアオイはいた。なぜ、ここが始まりの地と呼ばれるのか、何を以てして始まりなのか、誰も知らないことではあ…